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2003.5.1 平成14年度「林業労働災害防止機械・器具等開発改良事業」の実施結果について
2003.5.1 「第10次労働災害防止計画」策定される
2003.5.1 ゼロ災運動第7次推進計画を策定 −中央労働災害防止協会−


平成14年度「林業労働災害防止機械・器具等開発改良事業」の実施結果について


 林業・木材製造業労働災害防止協会では、林野庁の委託を受け林業労働者の労働災害を防止し安全を確保することを目的として、最新の技術等を取り入れた機械・器具等の開発改良課題を民間企業等に公募し、応募のあった課題の中から選定された8課題について開発改良を実施してきたところです。
 その成果について、下記のとおりお知らせします。

■実施課題一覧表
NO 開発企業等 開発改良機械・器具名
1 株式会社 リーガルコーポレーション 【林業用作業靴の開発】
表面にはチェーンソーに対する耐切創性の高いアラミド繊維を用い、靴底には滑り止めピンと衝撃止め素材を組み込むことによる安全で疲労感の小さい作業靴の開発
2 独立行政法人 森林総合研究所 【かかり木処理具の改良と軽量化】
チタン、CRP、超超ジュラルミン等の軽量素材を用い、操作性が良好、軽量化したかかり木処理具の開発
3 株式会社 マックスデサントアパレル株式会社 【軽量で作業性が良く、合理的な価格のチェーンソー用防護衣の開発】
アラミド繊維の約2倍の耐切創性を持つザイロンを用い、耐切創強度が高く軽量化されたチェーンソー用防護衣の開発
4 綾生産森林組合 【蜂等による被害を防止する器具(カバー)】
刈払機の操作桿及び握り手部に取り付ける蜂刺され防止装置の開発
5 イワフジ工業株式会社 【運材車安全運行装置】
運材車のラジコン操作が安全確実に出来るシステムと前方・後方物体確認センサーによる警報装置の開発
6 コマツ高知 株式会社
株式会社 コメット
高知県素材生産業協同組合連合会
【ケーブルグラップル】
ロージングブロックの下に取付けてラジコン操作が出来るエンジン付きケーブルグラップル開発
7 内田産業株式会社 【急傾斜の単軌道上より直接積込みする作業者の災害防止装置の開発】
傾斜地で安全な積込みを可能とするウインチアームの起立角度のアップ、アウトリガの設置を手動、リモコン併用で行う装置の開発
8 株式会社 ニッカリ 【単軌条運搬機における緊急時エンジン停止装置及び過積載防止装置の開発】
単軌条運搬機の故障を防ぎ、急傾斜地での災害防止を図るための緊急時エンジン停止装置及び過積載防止装置の開発


■実施内容(概要)

課題1 林業用作業靴の開発
 一般に使用されている地下足袋は、伐木造材作業に使われるチェンソーに対する切創抵抗は殆どなく、また、靴底の滑り止めピンが履いたときに足裏に感じる衝撃による疲労感があること及び枯れ葉の付着等によって耐滑性が低下するなどの欠点がある。
 林業用作業靴の開発は、地下足袋タイプとブーツタイプの2種のものを開発した。開発した靴はいずれも、足の甲の部分にアラミド繊維を使用してチェーンソーに対する耐切創性を持たせた。また、地下足袋の滑り止めピンの取付を工夫し、枯れ葉等の付着が少なくなるようにするとともに、靴底に衝撃止め素材が組み込まれたことで滑り防止機能の確保と作業者の疲労感の低減が図られた。その結果、伐木造材作業におけるチェーンソーによる足の切創及び足裏の滑りによる転倒などの事故を未然に防ぎやすくなり、林業作業の安全性の向上に寄与することが期待される。

課題1 林業用作業靴(地下足袋タイプ) 課題1 林業用作業靴(ブーツタイプ)
課題1 林業用作業靴
(地下足袋タイプ)
課題1 林業用作業靴
(ブーツタイプ)

課題2 かかり木処理具の改良と軽量化
 林業作業の中で間伐作業が増え、その結果かかり木が多数発生しその安全な処理のための器具等の使用が必要となっている。そのため、操作性が良好で作業現場に容易に持ち込むことが出来るフェリングレバーを改良した軽量器具の開発を実施した。
 開発した器具は、従来品で木回し使用時に生じていた滑りを解消するよう先端部の形状を改良し、また、木回しフックの適用径を拡大するようフックの形状寸法を改良した。軽量化を図るため、先端金具にチタン合金、フックに超超ジュラルミン、柄に炭素繊維強化プラスティックを使用し従来品の6割の重量(1.1kg)に軽減させた。さらに牽引具の操作桿として使用出来るよう接続器具を製造し、牽引具を持ち歩く手間で木回しも同時に携行出来るようにした。これらのことにより、従来かかり木処理具の携行が重く、携行を敬遠されていた面を改善出来ることから、かかり木処理作業における作業者の安全性の向上が期待される。

課題2 かかり木処理具(けん引具操作桿取り付け例) 課題2 かかり木処理具(改良品の外観)
課題2 かかり木処理具
(けん引具操作桿取り付け例)
課題2 かかり木処理具
(改良品の外観)

課題3 軽量で作業性が良く、合理的な価格のチェーンソー用防護衣の開発
 チェーンソー使用時の災害防止には、防護衣の着用は不可欠であるが、現在市販されているものは、重い、暑い、作業性が悪い、価格が高い等の理由により必ずしも着用されているとは言い難い現状にある。
 開発した防護衣は、チェーンソーに対する耐切創性能において極めて優秀であり、軽く、通気性が良く、動き易い構造となっており、高温多湿な我が国の林内作業でも十分に使用に耐えるものとなった。さらに価格についても十分従来品に対抗出来るものと期待できる。これらのことから、今後、チェーンソー使用者への着用が進むことにより、チェーンソーによって発生する切創災害の大幅な減少が期待される。

課題3 チェーンソー用防護衣(DPR002-CS01) 課題3 チェーンソー用防護衣(DPR002-CS01)
課題3 チェーンソー用防護衣
(DPR002-CS01)
課題3 チェーンソー用防護衣
(DPR002-CS01)
課題3 チェーンソー用防護衣(DPR002-CS02) 課題3 チェーンソー用防護衣(DPR002-CS02)
課題3 チェーンソー用防護衣
(DPR002-CS02)
課題3 チェーンソー用防護衣
(DPR002-CS02)
課題3 チェーンソー用防護衣(DPR002-CS03) 課題3 チェーンソー用防護衣(DPR002-CS03)
課題3 チェーンソー用防護衣
(DPR002-CS03)
課題3 チェーンソー用防護衣
(DPR002-CS03)
課題3 チェーンソー用防護衣(DPR002-CS01) 課題3 チェーンソー用防護衣(DPR002-CS01)
課題3 チェーンソー用防護衣
(DPR002-CS01)
課題3 チェーンソー用防護衣
(DPR002-CS01)

課題4 蜂等による被害を防止する器具(カバー)
 暖候季における刈払い作業にあっては、蜂さされ被害が頻発しており、特に蜂の攻撃の多くは刈払機の先端方向からであり、その被害は操作桿を持つ手に発生するものが多い現状にある。そのような状況の中で刈払機には、蜂刺されを防護する器具を装着したものは市販されていない。
 開発した装置は、小型軽量であるため作業時に邪魔になることもなく、また、実際のスズメバチの巣に対する実験の結果、たまたま防護カバーは刺されることがあっても手を刺されることはなかった。あわせて刈払機からの飛散物を防ぐ効果もあった。これらのことにより蜂さされ被害の減少が期待され、特に、蜂刺され被害は、場合によってはアナフィラキシーショックよって死亡に至る重篤な結果をもたらすことがあり、その防止対策にもつながることが期待される。

課題4 蜂被害防止器具(両手ハンドル型刈払機への取付例・片側のみ)
課題4 蜂被害防止器具
(両手ハンドル型刈払機への取付例・片側のみ)

課題5 運材車安全運行装置
 運材車の狭い走行路等では、前進と後進の往復走行により集材作業を行っている。特に、材を積んだ状態での後進は、進行方向の確認が難しく極めて危険な状態での作業となっている。また、不整地などの危険な個所では、運材車から降りて走行させたいとの要望がある。
 開発した装置は、運材車に搭乗した運転とラジコン操作により見通しの良い場所から降りての運転とを併用するシステム及び超音波センサと光電センサーを組み合わせた「前方、後方物体確認センサー」で物体が機体に近づいた場合に警報ランプが点灯するようにした。運材車にこれらの装置を設置することによりオペレーターの安全性と作業性の向上が期待される。

課題5 運材車安全運行装置(ラジコン送信機) 課題5 運材車安全運行装置(座席下のリンク機構(運転シートは取り外した状態))
課題5 運材車安全運行装置
(ラジコン送信機)
課題5 運材車安全運行装置
(座席下のリンク機構(運転シートは取り外した状態))
課題5 運材車安全運行装置(「前方、後方物体確認センサ」の搭載状況)
課題5 運材車安全運行装置
(「前方、後方物体確認センサ」の搭載状況)

課題6 ケーブルグラップル
 集材機集材作業の先山では、急傾斜地等の危険な個所で行う荷掛け作業や、また、プロセッサ作業により多量に発生する盤台付近に集積された枝条を林地に戻すときのスリングロープを外す作業が不可欠であり、これらを安全な個所からラジコン操作で行えるケーブルグラップルの開発を実施した。
 開発したグラップルは、「先山集材用ケーブルグラップル」と「枝条処理用ケーブルグラップル」である。先山集材用ケーブルグラップルは、エンジンの下にフレキシブルジョイントを介してアームを取り付け、その下に旋回機能を持つ3本爪のグラップル、また、エンジンがかかっている時にはエンジン上部にあるパトランプが点灯する構造である。枝条処理用グラップルへの交換は、アーム部の連結部のピンの入れ替えと2本の油圧ホースの入れ替えであり、集材機を誘導しながら一人で5分程度あれば可能である。これらの開発により、足場の悪い林地での移動が不要となり、また、荷掛け後の退避が不要、さらには荷おろしにおいても離れたところからのリモコン操作となることにより作業者の安全性の向上、労働強度の軽減が期待される。

課題6 ケーブルグラップル(全木材搬送中) 課題6 ケーブルグラップル(枝条処理用)
課題6 ケーブルグラップル
(全木材搬送中)
課題6 ケーブルグラップル
(枝条処理用)

課題7 急傾斜の単軌道上より直接積込みする作業者の災害防止装置の開発
 ウインチアームを持つモノレールにより急斜面上で直接積込みする際、改良前の機種はウインチアームの回転台を水平に保つ機能がないため積込み作業に支障をきたし、かつ台車の安定のためのアウトリガーも台車に固定され斜面に直角に立つことになり、アームに捻れ破損の危険があるとともにアウトリガーも有効に働かない状態にあった。また、台車への積込み作業は足場が悪い中で危険な作業となっていた。また、ウインチアームの操作も不安定な中での作業となっていた。これらのことから、ウインチアームとアウトリガーの直立を可能にするとともに各操作レバーを運転座席の前に集約し、さらに操作を手動・リモコン併用方式にすることとした。
 開発改良された機械は、ウインチアームの回転台を水平に操作出来、回転台と一体となったアウトリガー、操作レバーと操作座席として機械本体の安全性を向上させた。また、操作者の安全性と作業の効率性の向上のため、操作者の昇降のための梯子、積込み作業のための足場を設置するとともにウインチ、ウインチアームの手動・リモコン併用方式とした。これらによりモノレールの斜面上での集材・積込み作業の安全性の向上が期待される。

課題7 単軌道上の災害防止装置(全景前から) 課題7 単軌道上の災害防止装置(荷はずしをするところ) 課題7 単軌道上の災害防止装置(取付ベースをチルトさせているところ)
課題7 単軌道上の災害防止装置
(全景前から)
課題7 単軌道上の災害防止装置
(荷はずしをするところ)
課題7 単軌道上の災害防止装置
(取付ベースをチルトさせているところ)

課題8 単軌条運搬機における緊急時エンジン停止装置及び過積載防止装置の開発
 無人運転により走行する単軌条運搬機において、自然災害による軌条の障害物により牽引車が走行不能な状況が発生し停止した場合に、また、過積載による急傾斜地でのトラブルを防止し、エンジン、機械の故障を防いで安全運行が出来るようにする緊急時エンジン停止装置及び過積載防止装置を開発することとした。
 開発された緊急時エンジン停止装置は、牽引車に検知センサーとタイマーを組込み、軌条取付用支持金具に検知センサーを当てリセットしながら走行し、牽引車がなんらかの障害物により走行が止まった場合は検知センサーがリセット出来なくなり一定時間が経過するとエンジンが停止し駐車ブレーキが作動する。また、過積載防止装置は、牽引車と荷物台車を連結している連結器に圧縮バネを利用してその変異量により重量を検出し、設定荷重を超えると検出センサーによりエンジン停止と牽引車の駐停車ブレーキを作動させる機構である。これらにより、エンジン、機械の故障を防いで労働災害の減少が期待される。

課題8 単軌条運搬機の緊急時エンジン停止装置及び過積載防止装置
課題8 単軌条運搬機の緊急時エンジン停止装置及び過積載防止装置

問い合わせ先:林材業労災防止協会   松隈 茂、福田章史、奥田吉春

電話 03-3452-4981


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「第10次労働災害防止計画」策定される


 厚生労働省は3月24日、平成15年度から5ヵ年を計画期間とする「第10次労働災害防止計画」を公示しました。
 また、本計画と併せて「業種別労働災害防止対策」も示されました。


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ゼロ災運動第7次推進計画を策定 −中央労働災害防止協会−


 中央労働災害防止協会(中災防)ではこのほど、平成15年度から向こう5年間を計画期間とする「ゼロ災害全員参加運動第7次推進計画」を策定し、公表しました。
「ゼロ災害全員運動(略称=ゼロ災運動)」は、昭和48年に同協会が提唱、これまで6次にわたりゼロ災運動推進計画を策定し、ゼロ災運動の普及と充実を図ってきました。
 現在、我が国の社会経済システムは、内外の厳しい変化の中で大きな変革に直面し、労働市場においても就業形態の多様化、雇用の流動化が進むとともに、働き方や就業意識が大きく変わりつつあり、企業の安全衛生への取組みや働く人の安全衛生意識などにさまざまな影響を及ぼしています。
 今回の計画では、こうした状況を踏まえ、ゼロ災害・ゼロ疾病を究極の目標に明るくいきいきとした職場風土づくりをめざして、4つの事項を基本方針として取り組むことにより、ゼロ災運動の一層の普及及び内容の充実を図っていくこととしています。


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