メニュー

災害事例研究 No.40 【林業】

フォワーダで材を搬出中、機体ごと作業道から転落

 フォワーダで材を搬出途中、機体ごと作業道より転落。被災者はフォワーダのキャビン下に挟まれた状態で発見された。

災害発生の状況

  1. 被災者は、午前8時頃から同僚と5人で伐採搬出作業に従事していた。9時25分頃、丸太(径20~30cm、長さ3m)約25本をフォワーダに積載し、積込現場から820mほど下がった集積場に搬出途中、作業道からフォワーダごと5.8m下に転落した。
  2. 帰りが遅いことから、不審に思った同僚が、作業道を積込み現場から330m下がった地点で、作業道下方に逆さまになったフォワーダを発見。被災者は、フォワーダのキャビン下に挟まれた状態であった。

災害発生の原因

 フォワーダ運転中、何らかの原因により作業道から転落したものと推測されるが、考えられる原因としては、
① フォワーダが作業道の路肩に寄りすぎたこと。
② 考えごとをしていて、運転ミスをした。
等のことが考えられる。
casestudy040_01

災害防止対策

 フォワーダ等の車両系林業機械を用いて作業等を行うときは、道路等より転落による危険を防止するため、あらかじめ、地形、地質の状態を調査し、調査により知り得たところに適応する運行経路、作業方法を示した作業計画を定め、関係する労働者にその旨を周知すること。

[参考]
〈林業・木材製造業労働災害防止規程第35 条(作業計画の作成)〉

casestudy040_02 会員は、伐木造材機械による作業を行う場合には、あらかじめ、当該作業にかかる場所の広さ、地形並びに当該伐木造材機械の種類及び能力に応じて、伐木造材機械の走行路、作業方法等を内容とする作業計画を定め、作業者に周知徹底させなければならない。

〈林業・木材製造業労働災害防止規程第104 条(林内作業車の走行)〉
 会員は、林内作業車の運転を行う作業者に、次の各号に掲げる事項を行わせなければならない。
(1) 林内作業車の走行に当っては、走行路の勾配、路面の状況及び荷重に応じた安全な速度で運転すること。
(2) 走行時には、乗車席以外の箇所に作業者を乗せないこと。
(3) 林内作業車の走行の際に、転倒又は転落により作業者に危険が生じるおそれがあるときは、誘導する者を配置し、その者に当該林内作業車を誘導させること等により走行の安全を確保すること。
(4) 林内作業車により材をけん引する際には、次に掲げる事項に配慮すること。
イ 勾配の急な走行路、曲線半径の小さな走行路等で材をけん引するときは、速度を十分落とすこと。
ロ 林内作業車の走行等に支障が生じないように、けん引する材は適度の長さとし、材の滑落防止の措置を講ずること。

〈林業・木材製造業労働災害防止規程第105条(林内作業車の走行路の確保等)〉
casestudy040_03 会員は、林内作業車の走行路について、次の各号に掲げる事項を行わせなければならない。
(1) 走行路は、林内作業車が安全に走行できる幅員とし、少なくとも林内作業車の接地幅の1.2倍以上とし、走行路の曲線部は必要に応じ幅員を大きくすること。
(2) 斜面を横断する走行路は、切取り路面を原則とし、盛土路面については必要な補強措置を講ずること。
(3) 走行路の勾配は、使用する林内作業車の能力に応じて決定すること。
(4) 木橋等は、林内作業車の走行に十分耐えられる材料及び構造とすること。
(5) 走行路は、なるべく凹凸のないよう整地しておくとともに、根株、岩石等は、走行に支障のないように、あらかじめ、除去しておくこと。
(6) 土場は、土砂の崩壊、落石、流水等のおそれのない場所を選定し、林内作業車及び貨物自動車の方向転換が安全にできる広さを確保すること。
(7) 走行路を確保するための作業を行うときは、作業現場の崩壊及び浮石等の落下の防止に十分配慮すること。